電気柵線(ポリワイヤー)
充実のラインナップには、理由があります。
未来のアグリの電気柵線(ポリワイヤー等の電気柵用ワイヤー)は、他に類を見ないほどのバリエーションを誇ります。どれを選んだらよいのか、迷ってしまうかも知れません。なぜこのように豊富なバリエーションのワイヤーを販売しているのでしょうか?

それは、電気柵線に要求される様々な要素―強度、導電性、視認性、取り扱いのしやすさ、そしてコスト等は、相反する要素があって、全ての項目で10点満点を取るようなワイヤーは存在しえないからです。これらの各要素のうち、何を最優先にするか、何を軽視するか、それは電気柵を使う人や環境によって異なります。そこで、様々な特徴をもったラインナップの中から、ニーズに合ったものを選んでもらえるよう、類を見ないほどのバリエーションを取りそろえた、というわけです。
※電気柵線はポリワイヤーのほかに、高張力鋼線、アルミ合金線、ステンレス線などの金属ワイヤーもございます。これらはいずれも導電性に優れますが、ポリワイヤーに比較するとやや扱いにくいきらいがあり、特に高張力鋼線は指導を受けないと扱うことは困難です。


新製品・ブルーキングワイヤーは世界最強?クマやイノシシ等の大型獣に!
ブルーキングワイヤーは、電気柵線に求められるすべての要素で高いレベルを誇るワイヤーです。強いて言えば太いステンレス線の採用により、しなやかさは一般的なポリワイヤーより劣りますが、高張力線のように施工に特殊な技術を要するものではなく「硬めのポリワイヤー」という程度にすぎません。そのわずかなウィークポイントとのトレードオフで、極めて優秀な強度をを有することが試験結果から明らかになりました。クマやイノシシ等の大型獣対策の電気柵ワイヤーとして最適なワイヤーです。
【強度について】強度には動物が突進したときに必要な引張強度と、紫外線等による経年劣化が緩やかであることの二つの要素がありますが、いずれにおいてもその優秀さが確認されています。
《初期引張強度》三河繊維技術センターにて引張強度試験を行った結果、2120Nを記録しました。この強度は約0.5㎜の極太ステンレス3本が大きく貢献していることは間違いありません。ちなみにφ0.3㎜ステンレス線(この太さも、電気柵ワイヤーとしては最上位クラスです)が4本入ったニューポリワイヤーは、同センターにて1302Nの引張強度を記録しています。一般のレベルでは十分に「強い」と自慢できるレベルのニューポリワイヤーですが、ブルーキングワイヤーはその1.6倍もの強度を誇るのです。


【左写真】ニューポリワイヤーφ3.0㎜(上)とブルーキングワイヤーφ3.5㎜。 一般的にはφ2.5㎜程度の太さが多いように思われます。【右写真】上からニューポリワイヤーSUS線φ0.3㎜、キングポリワイヤーSUS線φ0.5㎜、他社製SUS線。 実物は写真で見る以上に差があります。金属線の強度は断面積に比例しますので、例えばφ0.5㎜の金属線は同じ材質のφ0.25㎜の線の4倍の強度を持つことになります。逆に抵抗値は断面積に反比例しますので、4分の1ということになります。
《紫外線劣化》紫外線劣化については、新製品では紫外線劣化のシミュレーションを特殊な装置によって行うしかありません。この装置を使って、自社製品、他社製品など様々なポリワイヤーの試験を行いまいましたが、驚くべきことに、ニューポリワイヤーとの比較では、8年後のシミュレーション結果で4.3倍もの強度の差が出たのです。ニューポリワイヤーの劣化率は一般的なポリワイヤーとの比較では低い部類ですが、ブルーキングワイヤーは経年劣化後の強度でもその差はますます広がっているという結果になりました。これは推測になりますが、線径が太いため、内部の繊維が紫外線の影響を受けにくいことに起因していると思われます。
【視認性について】電気柵は目立つほど良いといわれるのは、電撃ショックで動物に「触りたくないモノ」という心理的効果が生じたあとに、その嫌なものの存在をアピールできた方がより効果的であるからです。ブルーキングはリボンワイヤーほど目立ちませんが、ポりワイヤーとしては極太といえるφ3.5㎜、しかもイノシシが識別できる青色をベースとしており、高い視認性を誇ります。青+白のほうがより目だつと思われますが、白い繊維を使うことで紫外線劣化が早まることから、青+黒の仕様としました。
【導電性について】導電性は、金属線の材質と太さから決まりますが、材質についてはポリワイヤーでは銅線やアルミ線が使われます。これらの素材は導電性の良さと引き換えに、ステンレス線に比べて切れやすいという弱点があります。太さについては太いほど導電性が良くなり、強度も強くなります。ブルーキングワイヤーは強度を最優先に、異例ともいえる直径約0.5㎜のステンレス線をメインに使い、それだけでもステンレス線をメインとしたワイヤーとしては優秀な導電性を誇りますが、更にφ0.3㎜のすずめっき銅線を追加することで、銅線をメインに使ったポリワイヤーに比肩できるほどまでに導電性を高めました。
以上のように、ブルーキングワイヤーはポリワイヤーに求められるすべての要素について、「強度」は最高レベル、そのほかも最高に準ずるレベルを誇ります。それぞれの要素は「あっちを立てればこっちが立たず」という関係もあるため(例えば上記の導電性と強度の関係、また、視認性最高のリボンワイヤーは風の抵抗を受け強度に難あり、など)、すべての要素を最高レベルにするというのは不可能な中で、どなたにも、どんな状況でもご満足いただけるスペックを備えたポリワイヤーといえましょう。
各ワイヤー特徴を簡単にまとめた↓のポリワイヤー比較表で、皆さまのにニーズに最も近いワイヤーをお選びください!(なお、比較表中「銅線」とあるのはすべて「スズめっき銅線」です)
ブルーキングワイヤー | *心理柵として重要な「目立つ」という要素を重視しイノシシが認識できる青系で、太さも極太φ3.5㎜を採用 *大型イノシシやクマなどに対応すべく極太ステンレス線を採用し、銅線入りで導電性も高めています ★電気柵線に求められるすべての要素をハイレベルで実現したワイヤーです。 |
パワーポリワイヤー | *線径は未来のアグリとしては標準的(一般的にはやや太め)なφ3㎜ *太目の銅線と太目のステンレス線が各3本 ★導電性を重視しつつ、強度も十分に満足できるワイヤーです。 |
ロングポリワイヤー | *線径は未来のアグリとしては標準的(一般的にはやや太め)なφ3㎜ *太目のステンレス線と細目(一般的には標準的)のステンレス線が各3本 ★強度を確保しつつ、導電性にも配慮したワイヤーです。 |
パワーラインポリワイヤー | *線径は未来のアグリとしてはやや細目(一般的には標準サイズ)のφ2.5㎜ *細目(一般的には標準的)ステンレス線4本と銅線2本 ★やや細身でしなやかながら、強度、導電性にも配慮したワイヤーです。 |
スーパーポリワイヤー | *線径は未来のアグリとしては標準的(一般的にはやや太め)なφ3㎜ *太目のステンレス線が6本 ★ステンレス線を6本として強度を最重視しつつ、しなやかさを併せ持つワイヤーです。 |
極太キングポリワイヤー | *線径は極太φ3.5㎜ *極太ステンレス線が3本 ★強度を最重視してステンレス線もポリワイヤー自体も極太を採用、非常に丈夫なワイヤーです。 |
ニューポリワイヤー | *線径は未来のアグリとしては標準的(一般的にはやや太め)なφ3㎜ *太目のステンレス線が4本 ★未来のアグリの標準的なワイヤーです。 |
ニュービックワイヤー | *線径は極太のφ3.5㎜ *やや細目(一般的には標準的)ステンレス線6本とやや太目の銅線2本 ★導電性に優れ、視認性に優れた極太仕様ながら、しなやかなワイヤーです。 |
ブルーリボンワイヤー | *幅7㎜のリボン状ワイヤーで、イノシシが認識できる青色で *アルミ合金線7本をベースにステンレス線1本がアルミ線を連絡するように編まれています ★視認性と導電性を重視したワイヤーです。 |
スーパーライトポリワイヤー | *線径は未来のアグリとしてはやや細目(一般的には標準サイズ)のφ2.5㎜ *細目(一般的には標準的)ステンレス線2本と銅線2本 ★なるべくコストを抑えつつ、強度、導電性にも配慮したワイヤーです。 |
ライトポリワイヤー | *線径は未来のアグリとしては細目(一般的にもやや細目)のφ2㎜ *細目(一般的には標準的)ステンレス線6本 ★低コストを重視したワイヤーです。 |
ポリワイヤーネオ | *線径は未来のアグリとしては標準的(一般的にはやや太め)なφ3㎜ *やや細目(一般的には標準的)ステンレス線3本とやや太目の銅線1本 ★しなやかで扱いやすく、導電性にも配慮したワイヤーです。 |